特別講演「地方議会制度について」
2026年6月12日、京都府議会と京都府立大学による包括連携協定事業の一環として、荒巻隆三京都府議会議長をお招きし、社会科学部の両学科1回生を対象とした講演「地方議会制度について」を実施しました。当日は約100名の学生が熱心に耳を傾ける中、荒巻議長から京都府議会の特徴や合意形成の難しさと面白さ、ご自身の経験などについて貴重なお話をいただきました。

講演ではまず、荒巻議長ご自身の経歴や、議員を志したきっかけ、議員として大切にしている信条などについてお話しいただきました。また京都府議会の制度や仕組みについても、議長・副議長の選出、議長の権限、府議会の構成、府議会の主な仕事などを中心に解説いただきました。さらに、講演後には多くの学生から質問が集まり、学生と荒巻議長との間で積極的な意見交換がなされました。議長という立場の公務や役割についても、実際の経験を交えながらの説明があり、学生にとっては、普段なかなか知ることのできない地方議会の内側に触れる貴重な機会となりました。
特に印象的だったのは、京都府議会における会派間の関係や議会運営についてのお話です。京都府議会は、古くから多様な意見を持つ複数の会派によって構成されてきたという特徴があり、その中で議論を進めるためには、単に多数派が少数派を押し切るのではなく、異なる意見を丁寧に受け止め、合意形成のプロセスを重ねていくことが重要であると語られました。荒巻議長は、議会、そして民主主義における議論の役割とは、対立を深めることではなく互いの立場を踏まえながら「落としどころ」を見出していく営みであることを強調されていました。実務経験に基づく民主主義論は、普段の講義で聞く理論とは少し違ったニュアンスや説得性があり、多くの学生が民主主義の意味を考える機会にもなりました。

参加した学生の感想
「今まで議会や政治、またそれを職業とする方々には堅いイメージがあり、自分とはかけ離れた存在だと思っていました。しかし、本日の講義をお聞きしてそんなイメージが良い意味で壊れたように感じます。元は民間企業で働いていらっしゃったというご経歴や議長になってからのご活躍を聞いて、私の将来の選択肢に地元の政治に関わるという道が増えました。お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。」(公共政策学科、1回生)
「今回の講演を通して、これまであまり詳しく知る機会のなかった府議会の仕組みや議長の公務について学ぶことができ、大変貴重な経験になりました。また今回の講演をきっかけに、これまであまり関心を持てていなかった地方政治についても、自分から情報を集めたり、選挙や政策に関心を持ったりすることが大切だと感じました。今後は府議会の活動にも目を向けながら、社会の出来事について理解を深めていきたいと思います。本日は貴重なお話をありがとうございました。」(福祉社会学科、1回生)
「講演を聞き、議会の概要や仕事の内容といった京都府の地方議会制度について知ることができ、良かったです。特に議長としてどのように議会をまとめているかが印象に残りました。府民を代表して色々な考え方や目標を持つ人が集まる中で、協調関係や良識に基づいて合意を形成しているということが理解できました。」(公共政策学科、1回生)